術後疼痛・炎症
急性術後疼痛モデルのWistarラット45匹を対象に、532nm(70mW・4.97J・166J/cm²)と660nm(100mW・5J・167J/cm²)を無照射群と比較。両波長で疼痛・炎症指標の改善が報告され、660nmは疼痛閾値、532nmはTNF-αなどの炎症指標において相対的に良好な結果でした。波長以外の照射条件も異なるラットの研究です。 引用文献・原典:PubMed PMID: 40691863 ↗
WAVELENGTH-BASED EVIDENCE GUIDE
波長だけで効果は決まりません。同じ波長でも、レーザーかLEDか、照射量・出力密度・照射時間・パルス条件・対象組織によって結果は変わります。各研究の結果は、使用条件と対象をセットにして確認することが重要です。
同じ「赤色光・近赤外光」でも、波長、照射量、連続波・パルス波、照射部位によって研究結果は変わります。このページでは波長別に報告を整理し、臨床試験と動物実験を区別して読み解きます。
臨床試験の追加版:波長別に人を対象とした比較試験を掲載しました。複数波長の併用研究はその旨を明示し、効果が認められなかった研究も結果に忠実に紹介しています。
赤色光・近赤外光の研究を波長別に整理しました。研究区分(人の臨床・動物実験・獣医臨床・基礎測定)を明示し、各報告から原典へ移動できます。レーザーとLED、連続光とパルス光、照射条件は研究ごとに異なります。
急性術後疼痛モデルのWistarラット45匹を対象に、532nm(70mW・4.97J・166J/cm²)と660nm(100mW・5J・167J/cm²)を無照射群と比較。両波長で疼痛・炎症指標の改善が報告され、660nmは疼痛閾値、532nmはTNF-αなどの炎症指標において相対的に良好な結果でした。波長以外の照射条件も異なるラットの研究です。 引用文献・原典:PubMed PMID: 40691863 ↗
放射線照射後のマウスを633nm、830nm、無照射の3群で比較した研究。両照射群では無照射群より皮膚の炎症・組織障害が軽減しましたが、633nm群と830nm群の間には有意差が認められませんでした。引用文献・原典:PubMed PMID: 32876761 ↗
顔面のしわがある76人を633nm、830nm、両波長併用、偽照射の4群に割付。4週間の照射後、実照射群で照射前と比較したしわと皮膚弾力の改善が報告されています。引用文献・原典:PubMed PMID: 17566756 ↗
光老化のある36人に633nm+830nmのLEDを5週間で9回照射し、12週後まで評価した研究。しわの客観的測定値が照射前より改善し、被験者の多くが肌の柔らかさ等の改善を報告しました。皮膚生検を行った5人ではコラーゲン線維の変化が観察されました。引用文献・原典:PubMed PMID: 16989189 ↗
顔のしわがある31人に633nmと830nmのLEDを計9回照射した研究。照射量は633nmが126J/cm²、830nmが66J/cm²。12週時点で皮膚表面の一部測定指標に有意な改善がみられ、52%で光老化スコア25~50%の改善が報告されました。81%が追跡終了時に目の周囲のしわの改善を報告しました。引用文献・原典:PubMed PMID: 16414908 ↗
コラゲナーゼ誘発アキレス腱障害ラットで660nmと808nmを比較し、疼痛行動・組織修復に関する変化を報告。引用文献・原典:PubMed PMID: 40105234 ↗
急性術後疼痛モデルのWistarラット45匹を対象に、532nm(70mW・4.97J・166J/cm²)と660nm(100mW・5J・167J/cm²)を無照射群と比較。両波長で疼痛・炎症指標の改善が報告され、660nmは疼痛閾値、532nmはTNF-αなどの炎症指標において相対的に良好な結果でした。波長以外の照射条件も異なるラットの研究です。 引用文献・原典:PubMed PMID: 40691863 ↗
頭頸部がんの放射線治療を受ける患者87人を対象に、660nmレーザー群44人と偽照射群43人を比較したLiTEFORM試験。6週時点の口腔粘膜炎関連スコアはレーザー群33.2、偽照射群27.4で、レーザーの優越性は示されませんでした。登録人数が予定より少なく、有効性について確定的な結論には至りませんでした。 引用文献・原典:PubMed PMID: 36484364 ↗
口腔・中咽頭扁平上皮がん患者58人を対象とした多施設ランダム化試験。口腔内660nmレーザー(100mW、10J/cm²)と口腔外810/980nm併用レーザー(1000mW、6.11J/cm²)による口腔粘膜炎への介入を比較しました。両群の口腔粘膜炎の重症度に有意差はありませんでしたが、口腔外照射群では一部の評価時点で嚥下の困難さが少なく、味覚低下も軽度でした。 引用文献・原典:PubMed PMID: 40928526 ↗
症状のある膝変形性関節症患者73人を登録、65人を最終解析した二重盲検ランダム化試験。790nmレーザー(4J/点)で疼痛と機能指標の改善が報告されています。引用文献・原典:PubMed PMID: 40545487 ↗
ラット腱障害モデルで808nmを照射し、疼痛行動や腱修復に関する指標を検討。引用文献・原典:PubMed PMID: 40105234 ↗
Kimら(2021、Cornea)。ラット20匹を4群(対照、眼瞼炎、808nmレーザーPBM、点眼)に分けた眼瞼炎モデル。PBM群では涙液量・涙液層破壊時間などの眼表面指標が改善し、IL-1βとTNF-αの発現が低下した。 引用文献:Kim H, et al. 2021. Cornea. PubMed PMID: 33165014 ↗
Azumaら(2021、Frontiers in Physiology)。未訓練の若年女性13人を対象とする無作為化クロスオーバー試験。808nmレーザー(片腕28J)または偽照射を運動20分前に実施したが、反復回数、主観的運動強度、運動後72時間までの筋肉痛に有意な条件間差はなかった。 引用文献:Azuma RHE, et al. 2021. Front Physiol. PubMed PMID: 34177615 ↗
Zhangら(2026)は、アルツハイマー病モデル(APP/PS1)マウスに810nm・10HzパルスLED光を頭部照射し、学習行動とAβ42沈着を検討した。頭皮表面で25mW/cm²・13.5J/cm²、1日540秒、週6日、7週間の照射条件で、皮質・海馬のAβ42プラーク負荷の減少が報告された。マイクログリアとAβ42の共局在比率も増加した。引用文献・原典:PubMed PMID: 42380069 ↗
Hongら(2025)は、慢性アルコール曝露モデルのC57BL/6マウスに830nmレーザー(50mW/cm²)を週5回・3週間、経頭蓋照射した。行動試験では空間記憶・認知機能の改善が認められ、海馬のGFAP陽性細胞の減少も報告された。 引用文献・原典:PubMed PMID: 39793712 ↗
放射線照射後のマウスを633nm、830nm、無照射の3群で比較した研究。両照射群では無照射群より皮膚の炎症・組織障害が軽減しましたが、633nm群と830nm群の間には有意差が認められませんでした。動物実験であり、人への効果を直接示すものではありません。引用文献・原典:PubMed PMID: 32876761 ↗
日比野・濱出(2003)の国内学会抄録では、Wistar系雄ラット8匹の背部に左右一対の熱傷を作成し、片側に830nm・150mWの半導体レーザーを1日1分、10日間または15日間照射しました。照射側では創部の縮小がより進み、ヒドロキシプロリン量は10日群で増加傾向を示しましたが、15日群では5匹中3匹で左右差がありませんでした。ラットを対象とした研究です。 引用文献:日比野至・濱出茂治(2003)「ラット熱傷モデルに対する低出力レーザーの影響について」理学療法学Supplement(第38回日本理学療法学術大会抄録集). DOI:10.14900/cjpt.2002.0.652.0。 J-STAGE 国内学会報告 ↗
Hoisangら(2021年)は慢性創傷のある犬21頭を、洗浄のみの対照群7頭、830nm PBM併用群7頭、660・875・905nmの複数波長PBM併用群7頭に割り付けた。15日目の創面積縮小率は順に42.39%、56.98%、61.81%で、PBM群と対照群の間に有意差が報告された。犬を対象とした研究で、2つのPBM群の優劣は示されていません。 引用文献・原典:PubMed PMID: 34566346 ↗
糖尿病ラットで850nm LEDと904nmレーザーを比較し、コラーゲン形成とミトコンドリア動態を検討した。引用文献・原典:PubMed PMID: 30098521 ↗
Santosら(2024年)はラグビー選手18人のランダム化クロスオーバー試験で、850nm LED(8J/cm²、10分)を運動前・運動間・運動後に照射した。CK・乳酸および機能検査の全般的な群間差は認められなかった。運動前照射では最初のYo-Yoテスト、運動間照射では2回目のYo-Yoテストとスプリントテストに改善が認められた。 引用文献・原典:PubMed PMID: 38763575 ↗
Cardosoら(2024)は、感染のない糖尿病性足潰瘍の患者80人を対象に、904nmレーザー(4・8・10J/cm²)と偽照射を比較しました。レーザー照射群では潰瘍面積の縮小が報告され、10J/cm²群では5週間後の完全治癒割合が60%でした。10週間後の追跡で対照群との差が有意だったのは10J/cm²群でした。通常の創傷処置と併用した研究です。 引用文献・原典:PubMed PMID: 38805069 ↗
糖尿病ラットで904nmパルスレーザー(9500Hz)と850nm LEDを比較し、コラーゲン形成・ミトコンドリア動態を検討した。引用文献・原典:PubMed PMID: 30098521 ↗
ラットの全層熱傷で904nmスーパーパルスレーザーと医療用ハチミツの併用を検討した。引用文献・原典:PubMed PMID: 30048845 ↗
ラット熱傷モデルで904nm光照射と植物抽出物の併用を検討し、創傷収縮、炎症性因子、ATPなどの変化を報告。引用文献・原典:PubMed PMID: 37272267 ↗
Fonsecaら(2019、Lasers in Medical Science)。脳卒中モデルのWistarラット30匹を対象に、904nm LED(110mW、7J/cm²、63秒)を照射。運動行動・筋持久力に関する指標や神経新生の組織学的所見を報告した。 引用文献:Fonseca EGJ, et al. 2019. Lasers Med Sci. PubMed PMID: 30826952 ↗
両側アキレス腱炎の患者7人(14腱)で、904nmレーザーと偽照射を盲検下で比較。照射後のプロスタグランジンE2と圧痛閾値に改善が報告されています。引用文献・原典:PubMed PMID: 16371497 ↗
Piaoら(2019、Lasers in Medical Science)。犬の遺体標本6体を使い、980nm光の皮膚表面から脊柱管内への透過を測定。皮膚の有無や照射プローブの接触条件によって脊柱管内の光強度が変化した。 引用文献:Piao D, et al. 2019. Lasers Med Sci. PubMed PMID: 30879228 ↗
630・635・875・905・940nmなどは、原著の書誌情報と照射条件を確認した研究から順次追加します。複数波長を同時使用した研究は単一波長の結果として扱いません。
日本語文献はJ-STAGE等の原典を優先します。現段階では文献の網羅的な系統的レビューではなく、確認できた研究をまとめた増補版です。